茂木和隆さんの写真

もぎかずたか

茂木和隆

生年月日
50代
店 舗
花見鮨(はなみずし)
出身地
東京都
店舗エリア
東京都品川区
その他
東方通信社:月刊コロンブス掲載記事(2022年8月号)はこちら

目次

長年、うちの店に通いつづけてくれているお馴染みさんが、新しいお客さんを連れてきてくれることが一番の励みですね。何しろ同じ土地で90年以上商売をやってきた積み重ねがありますから、お馴染みさんに対してはもちろん、亡き父や祖父に対しても恥ずかしくない店を、という思いがつねにあります。

幸い、後継ぎについては大学を卒業したばかりの息子が今、花見鮨を背負って立つ日を目指して奮闘中です。目下、赤坂の会席料理店、菊乃井で修業していて、いずれはすし屋に移ってさらに修業すると意気込んでいるので頼もしいかぎり。ぜひ100年、120年と年を重ね、多くのお客さんに世代を超えて末永く親しんでもらいたいと思っています。

イラスト すし職人としてのやりがい

すし屋と割烹で修業するなかで、包丁の入れ方や皮の引き方ひとつとってもそれぞれ技術やこだわるポイントが違うのには驚きました。でもおかげで、本当に幅広い食材との向き合い方を学べたと思っています。また、日本料理菱沼は店主が非常に先進的な方で、27~28年前にすでにワインを日本食に合わせることを提案、実践していました。料理の技やアイデアをたくさん得られたのはもちろん、こうした先進的な考え方やスタイルも大いに学びになりました。ちなみに花見鮨のワインのラインアップが比較的充実しているのは、菱沼での修業時代にいろいろワインのことを覚えられたからなんです。

イラスト 修業中のエピソード

いかに良い食材を良い状態で手に入れるかは、すし職人にとって永遠のテーマです。私はその追求のためには、人とのコミュニケーションや昔からの縁を大事にすることが第一だと考えています。魚の仕入れに関していえば、祖父の代から通っている仲買人さんにずっとお世話になっていますが、こちらで仕入れたいものをファックスしておくと、朝になって向こうから連絡がきて「ヒラメの注文をもらってるけど、今日はイマイチ。カレイが最高だけどどうする」といった具合にいろいろと提案してくれます。また、シャリの仕入れでも当然、米の専門家である地元の米屋さんの意見や助言が重要です。とくに新米の時期には、まず様子見で半分は新米、もう半分は古米とブレンドしたものを10㌔㌘分届けてくれます。そして、私のほうで実際にその米ですしを握ってみて「ちょっとやわらかすぎる」など感想を伝えると、「じゃあ、やや新米を少なめにしてみよう」と調整してくれて、何度かそういうやりとりを重ねることでベストな配合にたどり着くわけです。

 こうした専門家とのコミュニケーションを軸とした仕入れを日々実践しているからこそ、良いすしをお客さんに提供することができるのだと思います。

イラスト すし職人に求められるもの


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