原田辰也さんの写真

はらだたつや

原田辰也

九州と江戸前の長所を取り入れながら
「本物と一流」にこだわる

生年月日
1966年
店 舗
鮨魚治 はら田
出身地
福岡県北九州市
店舗エリア
中央区銀座

目次

キャリアサマリーの写真

寿司イラスト キャリアサマリー

  • 1985年

    福岡県北九州市の「天領寿司」「寿司正」「照寿司」で腕を磨く

  • 1987年

    21歳の時に独立するも3年で廃業、江戸前寿司の本場・東京へ
    銀座の「魚治」で12年間にわたり修行

  • 2003年

    銀座で「魚治 はら田」を独立開業、今に至る

 19歳の時から地元・福岡県北九州市のすし屋の板場で働き、21歳で自分の店を持ったのですが、経営も何もわからない若輩者だったので3年でつぶしてしまいました。それで腕を磨こうと東京へ。銀座の名店「魚治」での修行を経て、約18年前に暖簾分けを許され独立しました。以来、すし職人として「本物と一流」にこだわりつづけています。

 その時々に手に入る最高のネタを最高の形でお客さんに提供すること。これが私のモットーです。とくに四季折々の食材を幅広く一品料理に取り入れており、たとえば戻りガツオの時期にはよく脂ののったカツオを火鉢で藁焼きにしますし、ハモでいえば旬の夏場のみならず、秋口の名残りのハモを松茸と合わせてお吸い物にして出すなど、季節感も含めて最高のネタを味わってもらえるよう工夫を凝らしています。

イラスト すし職人としてのモットー

 「本物と一流」をつねに心がけています。本物のネタを仕入れるのはもちろん、そのネタのポテンシャルを最大限引き出せるよう、長年かけて一流の技術を追求しつづけてきました。そうしてたどり着いたのが、鮮魚と甘めのシャリを合わせる私自身の出身地・九州のずしと、ネタに漬けや炙り、焼きといった〝仕事〟を施し赤酢の効いたシャリとともに握る江戸前ずし、両方の良いところを取り入れた独自のスタイルです。とくにシャリについてはここ最近、江戸前ずしがブームということもあってコクと旨みのある赤酢のシャリをつくるすし屋が増えていますが、強めの赤酢はマグロにはピッタリでも、白身魚に合わせるとその繊細な味わいを殺してしまいます。だから当店では赤酢と白酢をブレンドし、九州流に少量の砂糖も加えて、どんなネタにも相性が良いシャリになるよう心がけています。

イラスト すし・料理へのこだわり

 やはりお客さんに喜んでもらったときにやりがいを感じますね。とくに思いもよらぬ食材が手に入ったときにはそのことを実感します。

 たとえば当店には伊豆諸島の方たちがよく訪れるので、そのご縁で年に何回か、ヘリで伊豆諸島近海の魚を直送してもらっています。ついさっきまで泳いでいた大きなカツオが丸ごと届いたときは、身がよく締まっていて包丁の入り具合がまったく違うので驚くとともに、これを食べて喜ぶお客さんの笑顔が目に浮かびました。また、夏本番間近の6月には小笠原諸島から立派なパッションフルーツが届いたこともありました。食後の水菓子としてお出しするのはもちろん、爽やかな酸味と独特の食感を生かして一品料理のドレッシングに使ったり、刺身に合わせたりといろいろ活用しました。こんな風に「この食材でどうやってお客さんに喜んでもらおうか」と考えるのを日々楽しんでいます。

イラスト すし職人としてのやりがい


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